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宿泊施設の運営に役立つノウハウや現場での工夫、業界の最新トレンド情報などを幅広く発信します。

ホテルDX化はどこから手を付けるべきか

「DX化が必要なのは分かっているが、何から始めればいいのか分からない」——この悩みは規模を問わず多くの宿泊施設に共通します。DXは“最新ツール導入”ではなく、“業務と判断をスムーズにする仕組みづくり”です。現状に合わせて段階的に進めることで、無理なく効果を積み上げられます。

1)まずは「予約・在庫・料金」の一元化から

最初の着手点として効果が出やすいのが、サイトコントローラーやPMSを軸にした予約・在庫・料金管理の整理です。OTAごとの管理が分散している状態だと、更新漏れやダブルブッキング、確認作業の増加が起きやすくなります。一元化は単なる省力化ではなく、「ミスの減少」「販売機会ロスの防止」という意味でも優先度が高い領域です。

2)次に重要なのが「販売レートの適正化(レベニュー強化)」

DX化を“現場の省力化”だけで終わらせないために欠かせないのが、レベニュー領域の強化です。需要変動が大きい宿泊市場では、販売レートが適正でないだけで収益が大きく変わります。
そこで有効なのが、レベニューシステム(レート提案・需要予測・競合比較など)を活用し、価格を「勘」ではなく「根拠」で決められる状態をつくることです。繁忙期に安く売り過ぎる、閑散期に高すぎて動かない、といった“もったいない”を減らすことで、同じ稼働でも収益性が改善します。
ポイントは「毎日完璧にやる」ではなく、まずは週次のレート見直しなど、回せる運用から始めること。現場の負担を増やさずに、着地を変えられる領域です。

3)フロント・バックヤードの「二重入力」を減らす

PMS、会計ソフト、予約エンジン、清掃管理などが連携していないと、同じ情報を何度も入力することになります。DX化の次の一手は、ここを減らすことです。
連携が難しい場合でも、入力項目の整理や運用ルールの統一、帳票の簡素化などで負担は下げられます。「システムを増やす」より先に、「いまある仕組みをつなぐ・整える」ことが効果的なケースも少なくありません。

4)スタッフ間の役割分担と情報共有を“仕組み化”する

人手不足の現場ほど、情報共有の遅れがトラブルに直結します。DX化はここでも力を発揮します。
たとえば、フロント・清掃・管理者間で「誰が・何を・いつまでに」を見える化し、共有をスムーズにする仕組みがあるだけで、抜け漏れや確認作業が減ります。ポイントは“複雑なツール”より、現場が使い続けられるシンプルな運用です。

  • 申し送り(特記事項・アレルギー・遅着など)の統一
  • 清掃進捗のリアルタイム共有
  • クレーム・改善点の記録と再発防止
    こうした「現場の連携」をDXで整えると、少人数でも品質を落とさず回せる体制に近づきます。

5)最後に「見える化」で改善サイクルを回す

DX化の仕上げは、データを見て判断できる状態をつくることです。売上、稼働、ADR、RevPAR、チャネル構成、キャンセル率などを“見える化”し、週次・月次で改善を回せると、施策の精度が上がります。
「システムは入れたが成果が出ない」ケースの多くは、運用(見る・決める・実行する)のサイクルが回っていないことが原因です。


DX化に正解はありませんが、共通する近道はあります。
①一元化 → ②レベニューで適正価格 → ③連携で二重作業削減 → ④情報共有の仕組み化 → ⑤見える化で改善
この順に「現場の負担を増やさず成果につなげる」ステップアップを重ねることで、業務は確実にスムーズになります。

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