
ホテルDX化は業務効率化や人手不足対策として有効な手段ですが、進め方を誤ると「思ったほど効果が出ない」「現場が混乱する」といった結果になりがちです。実際、DX化のご相談を受ける中で、いくつか共通した“失敗しやすいポイント”が見受けられます。
まず多いのが、目的が曖昧なままシステムを導入してしまうケースです。「周りが入れているから」「補助金が使えるから」といった理由だけで導入すると、現場の課題と噛み合わず、結局使われなくなることがあります。DXは手段であって目的ではないため、「何を楽にしたいのか」「どの業務を減らしたいのか」を明確にすることが重要です。
次に、現場への共有不足も失敗の原因になりやすい点です。管理者だけがシステムを理解していても、実際に使うのはフロントや清掃などの現場スタッフです。操作が難しい、ルールが分からないといった状態では、かえって業務負担が増えてしまいます。
また、システム同士が連携していないこともよくある失敗例です。PMS、サイトコントローラー、会計ソフトがバラバラに動いていると、二重入力や確認作業が発生し、「システムを入れたのに楽にならない」という状況に陥ります。
DX化は一度で完成するものではありません。小さく始めて、現場の声を聞きながら調整していくことが、失敗を避ける最大のポイントです。